政治

トランプ再選の根本にあるもの――「反知性主義」と「不寛容」のアメリカを読み解く

2024年11月15日


<span>トランプ再選の根本にあるもの――「反知性主義」と「不寛容」のアメリカを読み解く</span>

 アメリカ大統領選の結果を、皆さんはどのように受け止められただろうか。準備不足のまま担ぎ出されてしまった感のあるハリス氏だが、民主党陣営にはそれ以前からいくつかの大きな弱点があったように思われる。インフレによる物価高という身近な問題も、現政権への逆風になっただろう。だが、そういう当面の生活苦よりもう少し深い根本的なところで、民主党は人々の信頼を失いつつあったのではないか。その根っこにあるものに、拙著『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』『不寛容論:アメリカが生んだ「共存」の哲学』(いずれも新潮選書)で書いたことを通して近づいてみたい。

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『反知性主義』から見えること

 一つはリベラル派のエリート化である。これはトランプ氏が最初に当選して世界を驚かせた頃からよく知られるようになった。反知性主義は、知性そのものへの反感というより、知性が特定の権力と癒着して既成化することへの反発である。反権威主義と言ってもよい。政治のアウトサイダーとしてワシントンへ乗り込んでいったトランプ氏は、反知性主義の格好の体現者だった。

 では、自分自身が最高権力者となったらどうなるのか。彼の挑戦はそこで終わらない。今度は政権内部に存在するという「ディープ・ステート」を相手に、沼の泥を掻き出す作業に取りかかった。前回も今回も、勝ったのは共和党ではなくトランプ氏である。……

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