政治

ドイツ初の「対イスラエル制裁」で揺らぐ「国是論」

2025年8月25日


<span>ドイツ初の「対イスラエル制裁」で揺らぐ「国是論」</span>
2008年にドイツのアンゲラ・メルケル首相(当時)は、「イスラエルの安全を守ることはドイツの国是の一部だ」と発言した(筆者撮影)

 ドイツが「イスラエル無条件支持」の姿勢から脱皮し始めた。メルツ首相が初めてイスラエルへの軍事支援に制限を加えたことは、同国の中東政策に現実性を与え、他のEU(欧州連合)加盟国との足並みを揃えるための第一歩だ。

***

 フリードリヒ・メルツ首相(キリスト教民主同盟・CDU)は8月8日、「イスラエル軍がガザ地区で使用する可能性がある軍事物資の供与を停止する」と発表した。これはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、ガザ地区での軍事行動をさらに拡大し、ガザ市全体を制圧する方針を明らかにしたことに対する抗議だ。ドイツ政府がイスラエルに対して、部分的とはいえ制裁措置を発動したのは、初めてだ。その意味でこの決定は、ドイツとイスラエルの関係史の大きな分岐点と言える。

友好関係には限界がある

 メルツ氏はイスラエルへの軍事物資の供与を部分的に停止する理由について、「イスラエルには自衛の権利がある。同国は、ハマスが監禁している20人の人質を救出するための努力をする権利がある。しかしこの時点でガザ地区での軍事行動をさらに拡大し、ガザ市全体を占領しようとすることの目的や意味が、我々には理解できない」と説明した。……

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する