都市部の医療が崩壊しつつある。2024年度、東京都内の病院の約7割が赤字に陥り、吉祥寺南病院など地域の中核病院が診療を休止した。兵庫県伊丹市の近畿中央病院は、運営する公立学校共済組合が赤字を理由に、2027年度に予定されていた市立病院との統合を待たず、2026年3月以降の診療休止を決定した。
公立病院も状況は変わらない。週刊ポストが2026年1月2・9日合併号に掲載した「足下に迫る医療崩壊 地域別経営不安の赤字病院リスト120」という記事が興味深い。編集部は全国の2023年度の公立病院の経営状態を調べたが、最も赤字が多かったのは東京都立多摩総合医療センターで約89億円だった。次いで、都立墨東病院(約86億円)、都立小児総合医療センター(約79億円)、都立駒込病院(約76億円)と続き、トップ10は全て首都圏の病院だった。内訳は東京7、埼玉2、千葉1である。
苦境は病院だけではない。2024年、医療機関の倒産は64件と過去最多を記録した。休廃業・解散も722件に達し、こちらも過去最高を更新した。とりわけ深刻なのがクリニック(診療所)で、休廃業・解散の約8割を占め、大半が東京・大阪・名古屋など都市部に位置していた。
診療報酬で無視されている都市部と地方のコスト格差
都市部の医療機関の閉鎖は、医師不足が原因ではない。患者がいない訳でもない。住民は地域医療の充実を望み、医師も十分にいるのに病院の経営が立ち行かないのだ。……