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トランプ大統領の発言とアクション(3月27日~4月3日):バンス副大統領が対イラン交渉の主役に急浮上の背景

2026年4月4日


<span>トランプ大統領の発言とアクション(3月27日~4月3日):バンス副大統領が対イラン交渉の主役に急浮上の背景</span>

トランプ大統領と政権キーパーソンから飛び出した発言を、ストリート・インサイツ 代表取締役・安田佐和子氏がマーケットへの影響を中心に詳細解説。▼「石器時代に引き戻す」で想起されるベトナム戦争、湾岸戦争、9.11▼“NATO脱退”に言及ナシは欧州をホルムズ開放に関与させる狙いか▼バンス副大統領が対イラン交渉に適任である理由▼巨額軍事費要求の伏線だった「子どもや孫たちの未来への投資」▼ホルムズ通航料の決済通貨は人民元かステーブルコイン▼支持率低迷で閣僚「刷新」か

 停戦への期待に、冷や水が浴びせられた。ドナルド・トランプ大統領は4月1日、国民向け演説でイラン軍事作戦をめぐり「圧倒的な勝利を収めた」と勝利を強調しつつも、「今後2~3週間に甚大な打撃を与える」と発言。イランの発電施設などへの攻撃期限として設定した4月6日を間近に控えても、終結を見通せない現状を浮き彫りにした。

 マーケットは即座に反応し、WTI原油先物は時間外取引で一時113.97ドルへ急伸。イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の後継に、反米保守強硬派として知られる次男のモジタバ・ハメネイ師が選出されたと伝わった3月9日以来の高値をつけた。

「石器時代に引き戻す」で想起されるベトナム戦争、湾岸戦争、9.11

 演説の舞台裏には、厳しい政治的現実があった。CNN/SSRSによる世論調査では、米国民の67%がトランプ氏はイラン情勢への明確な対処方針を持っていないと回答しており、支持率は開戦以来じりじりと低下を続けている。追い打ちをかけるように、ホルムズ海峡の実質的封鎖を受けて全米平均のガソリン価格は4月2日週に1ガロン4ドルを突破。戦場での「勝利」を誇示しながら、日々の生活で戦争コストを実感する有権者の離反を食い止める――勝利を語りながら戦争は続く現実との矛盾を、市場は敏感にかぎ取ったと言えよう。

 演説の中で、トランプ氏はイランを「石器時代に引き戻す」というフレーズを繰り出した。すでに演説原稿に目を通していたからか、トランプ氏は3月31日にも同様のフレーズを口にしている。

 もとよりこのフレーズはトランプ氏の創作ではない。「石器時代に引き戻す」に類する表現は、少なくとも過去3回、使用された。まずは、北ベトナムへの徹底爆撃を主張したカーティス・ルメイ元空軍参謀総長の言葉として。そして湾岸戦争直前に、ジェームズ・ベーカー国務長官(当時)もイラクに対してこのフレーズを口にしている。2001年9月11日の同時多発テロ事件直後には、リチャード・アーミテージ国務副長官がパキスタンに対し、対テロ戦争への協力を拒むなら「爆撃されて石器時代に戻ることを覚悟しろ」と警告したと伝えられる。

 米国が過去に実行してきた徹底的破壊の記憶を呼び起こすこの言葉は、イラン指導部だけでなく、交渉の行方を注視する国際社会全体への威圧としても機能する。ピート・ヘグセス国防長官がXに「石器時代への回帰」とだけ投稿して呼応したことも、この言葉が政権内で共有されたキーワードであることを示唆している。

 一方で、トランプ氏は「ベトナム戦争は19年5カ月29日、イラク戦争は8年8カ月28日続いた」のに対し、「(イランには)32日間で非常に強力で優れた軍事作戦を展開している」と、長期化した過去の戦争と足元の戦況の違いを強調した。

【ヘグセス国防長官の「石器時代の回帰」投稿】 出所:Pete Hegseth/X
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“NATO脱退”に言及ナシは欧州をホルムズ開放に関与させる狙いか

 トランプ氏は演説中で、地上軍の派遣には一切言及しなかった。地上作戦への言及はベトナム戦争やイラク戦争などの泥沼を想起させ、世論の離反を招きかねない。だが、米国はニミッツ級空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」を始め3隻を中東に集結させている。イランの石油輸出拠点、カーグ島などに対する地上軍投入の可能性は残されている。……

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