政治

消費税0%の“悲願”に拘泥する高市首相の怒りを買う「財務省のエース」と「日経新聞」

2026年6月5日


<span>消費税0%の“悲願”に拘泥する高市首相の怒りを買う「財務省のエース」と「日経新聞」</span>
官邸の財務省への圧力は日に日に増すばかり

高市早苗首相(65)が衆院選の政権公約に掲げた「食料品に限った消費税2年間ゼロ」。だが、実現への道のりは険しい。首相は報道に神経を尖らせ、官邸内では情報の“リーク犯”探しが過熱。さらに、頼みの綱だった右腕との関係にも異変が生じているという。

“抵抗勢力”の中心人物と見做された次期・財務次官の有力候補

 高市首相は食料品の消費税を2年間ゼロとすることが、かねて「私自身の悲願だ」と熱弁してきた。だがここにきて、大いに雲行きが怪しくなっている。

「政府は消費減税および給付付き税額控除の制度設計や導入の是非について、『社会保障国民会議』で協議を進めてきました。しかし財布のヒモを握る財務省は財政規律を重視し、消費減税には一貫して反対の立場。食料品に限ったとしても、税率をゼロにするなど受け入れがたいという考えです」

 とは経済部デスク。

「実際、財務省はあの手この手で消費減税の議論を阻もうとしてきました。国民会議の有識者会議のメンバー選びでも、財務省は自分たちに有利に運ぶよう人選を差配したと見られている。12人の有識者のうち、消費減税に賛成しているのは二人だけなのです」(同)

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏もこう言う。

「有識者会議の出席者は大半が減税反対派で、これが高市首相の財務省に対する不信感を高める一因になったと聞いています」

 特に首相の怒りを買っているのが、財務省のエースと称される宇波弘貴主計局長(61)だという。

「首相は宇波氏を“抵抗勢力”の中心人物と見做しているようです。夏の人事では新川浩嗣財務次官(63)の退任に伴って宇波氏の次官昇格が既定路線とみられていたところ、省内では“首相が土壇場でこの人事案をひっくり返すのでは”との懸念が広がっています」(前出・経済部デスク)

 現役財務官僚が補足する。

「旧民主党政権時代、新川次官は主税局の税制第二課長、宇波主計局長は調査課長としてともに消費増税に道筋をつけた立役者です。宇波氏は人柄も良く、部下からも慕われている。次官の道を閉ざされることになれば、省内はこれを事実上の更迭と受け止めて震撼するでしょう」

 しかし一方で、政治部デスクはこう明かすのだ。

「首相側近からは“官邸への権力集中を進めるうえで、首相の意向に反する人物を幹部に起用するわけにはいかない。財務省については宇波主計局長を夏の人事で外す方針だ”との話が聞こえてきています。新川氏の後任次官には宇波氏に代えて、宇波氏と同じ1989年入省の青木孝德主税局長(59)か91年入省の坂本基官房長(57)を据えるとの具体案まで流れています」

 官邸からの財務省に対する圧力は、日に日に強まるばかりだという。

「官邸は内閣情報調査室などを通じて新聞・テレビの政治部や経済部記者が財務官僚や政治家に取材した『メモ』をかき集めています。財務官僚がマスコミにどんな内容をレクし、また、国会議員に何が伝わっているかを把握するためです。首相は財務官僚が、水面下で“消費減税”に後ろ向きの言動を繰り広げてきたという疑念を強く抱いている。事実、ある財務省の幹部が官邸を訪れた際、首相から“なにをコソコソやっているのか”“私をのけ者にして、反乱する気やろう”と面罵されたそうです。財務官僚たちは“レクも満足にできない”と嘆いています」(同)

『安倍晋三 回顧録』が首相に与える影響

 首相の“財務省嫌い”は今に始まったことではない。

「首相は安倍晋三元首相を政治の師と仰ぎ、『安倍晋三 回顧録』を熟読しています。そこでは〈予算編成を担う財務省の力は強力です。彼らは、自分たちの意向に従わない政権を平気で倒しに来ますから〉などの“財務省脅威論”が繰り返されている。彼女はその影響を色濃く受けています。財務省から出向中の吉野維一郎首相秘書官(56)ですら冷遇され、首相執務室への入室も許されていません」(同)

 首相が睨みを利かせる相手は財務省だけではない。マスコミ報道そのものにも神経を尖らせている。

「政府は3月26日に開かれた経済財政諮問会議に、米マサチューセッツ工科大学のオリヴィエ・ブランシャール名誉教授と米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授を招聘。意見を聴取しました。世界的なマクロ経済学者である両氏から、政権が掲げる積極財政路線へのお墨付きを得たいとの思惑があったようです。ところがその日の夜、日本経済新聞電子版が〈海外識者、高市政権の積極財政に注文〉との見出しで記事を配信。むしろ苦言を呈されたとの印象をもたれた。首相は“話が違う”と激怒したそうです」(同)

 当日、経済財政諮問会議に出席した第一ライフ資産運用経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏によると、

「ブランシャール氏らを招いたのは、消費減税の是非を議論するためではありません。あくまでサナエノミクスの方向性について意見を聞くためです。両氏ともサナエノミクスそのものには一定の評価を示していました」

 官邸幹部も公に首相への援護射撃を試みている。

「木原稔官房長官は翌日の会見で“ブランシャール氏は『現在の政府方針は実行可能であり、自らの考えとあまり違いがない。ぜひ実行に移してほしい』と発言した”と紹介するなど、火消しに懸命でした。さらに官邸はブランシャール氏に連絡を取り、SNSで“真意”を発信するよう要請までしたというのです」(前出・政治部デスク)

 たしかにブランシャール氏は自身のXに〈プライマリーバランスへの言及も、成長率や金利の変化を見据えた中長期的な財政計画という文脈でのものです〉などと投稿。日経の記事を事実上、修正するに及んでいる。

ブランシャール氏に尋ねると…?

 本誌はブランシャール氏本人にメールで事実関係を尋ねた。まず官邸の要請を受けてXに投稿したのかとの問いに対しては、

〈断じて違います。誤解が生じているように思えたため、私の考えをできる限り明確に説明する必要があると感じたのです〉

 と否定。次に肝心の消費減税に関する見解を訊いたところ、

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