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ガザ和平の「担い手を降りる」中間派イスラム圏――インドネシア後退、ウガンダを浮上させるイスラエルの影

2026年8月6日


<span>ガザ和平の「担い手を降りる」中間派イスラム圏――インドネシア後退、ウガンダを浮上させるイスラエルの影</span>
平和評議会の非イスラム化は、ガザの平和のためには望ましくない[ガザ地区で行われた112人を弔う集団葬儀。犠牲者たちは2023年11月のイスラエル軍による攻撃でがれきの下敷きとなり、最近の調査で遺骨が発見された=2026年8月4日](C)IMAGO/APAimages via Reuters Connect

トランプ米大統領が主導するパレスチナ自治区ガザの暫定統治機関「平和評議会」では、参加したイスラム圏諸国が重要な役割を果たすと見られてきた。だが、その関与は鈍りつつある。アメリカがイスラム圏諸国を活用して成立させた停戦をイスラエルが形骸化させる構図はガザとイランに共通する。ガザは「ハマスの武装解除」をめぐって不透明な状況が続いているが、その先にある「国際安定化部隊」の編制については、派遣国として期待された5カ国のうちインドネシア、アルバニア、カザフスタンが脱落し始めている。

 2023年10月以降のガザ危機は、中東の混迷に新たな様相をもたらした。それに加えて、2026年のアメリカ・イスラエル対イラン戦争は、中東の政治地図に、さらに新たな性格を与えようとしている。

 現在進行形の現象を、精緻に捉えることは、非常に難しい。もっとも歴史の中の事象であれば、簡単に把握できる、というわけでもない。細かな情報を収集・整理する作業とあわせて、大局的な見取り図を精緻化する作業も、必要だ。

 紛争分析を専門にするならば、地域研究者の仕事を渉猟して情報を収集整理する作業を少しでも積み上げていくことと同時に、地域的な動向の傾向を把握するための理論的な視座の精緻化も大切になってくる。

 本稿では、こうした問題意識から、中東の政治構図の変化を、地域横断的・歴史俯瞰的な観点から捉えることを試みる。

アメリカ・イスラエル対イラン戦争はどのような歴史の帰結なのか

 日本では「(親ソ連的な)アラブ諸国対(親米の)イスラエル」という伝統的な対立構図をあてはめて、中東の政治地図を理解しようとする傾向が根強い。かつて中東への関心が1970年代のオイルショックなどを契機にして劇的に高まった経緯の影響であると思われる。外務省内の人事慣行なども、そのような図式を前提にして進んでいるところがある。だが、この図式は、古すぎる。

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