柳沢吉保は慌てた。「希有の大地震」。日誌にそう記す。元禄16(1703)年11月23日の八つ半という。午前3時くらいか。元禄地震と呼ばれる。日付は旧暦。新暦では大晦日。まだ夜は明けぬ。しかし上様が心配だ。吉保は五代将軍綱吉の側用人。江戸城に向かう。そしたら驚いた。大手門の辺りの御濠が溢れている。江戸湾への津波のせいか。橋が水没。吉保は家臣に負ぶって貰って渡る。城内は大混乱。江戸の町には火も回る。小石川から本郷へ。川を渡って本所にも。大延焼。吉保は午後にいったん下城するが、余震が多い。深夜に再登城。綱吉の傍で宿直する。
Vol. 14
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