連載|Foresight

Vol. 75

トランプ大統領の発言とアクション(9月17日~24日):AI危機管理も「財務長官 vs 副首相(対外経済・通商担当)」で進む意味と意義

2026年9月26日


<span>トランプ大統領の発言とアクション(9月17日~24日):AI危機管理も「財務長官 vs 副首相(対外経済・通商担当)」で進む意味と意義</span>
中国側は「より大きな取引」を探ったという[国賓晩餐会で習氏(左)と言葉を交わすトランプ氏=2026年9月24日、アメリカ・ワシントンDC](C)REUTERS/Evelyn Hockstein

今年2回目の米中首脳会談は「融和」が演出された一方で、主要課題に合意は乏しかったと評される。しかし、これまで交渉枠組みに入れ込まれてきたいくつかの「備え」が、具体的な意味を持ちつつあるのも見逃せない。年内残り2回の首脳会談を経て2027年へと向かう米中関係の中で、貿易とAIをめぐる協議の焦点はどこに定められるのか。――トランプ大統領と政権キーパーソンから飛び出した発言を、ストリート・インサイツ代表取締役・安田佐和子氏がマーケットへの影響を中心に詳細解説。

米中「貿易委員会」と「AI対話」、2027年に正念場

 9月23日、アンドルーズ統合基地。中国の習近平国家主席を出迎えたドナルド・トランプ大統領の頭上を、B-1爆撃機2機が横切った。大統領自ら空軍基地に出向く異例の礼遇と軍事力の誇示は、セオドア・ルーズベルト元大統領の「穏やかに語り、大きな棍棒を携えよ」を想起させる。2017年にも、トランプ氏は習氏との食卓でシリア攻撃を伝えた。歓待の席で力を意識させる手法は変わらない。

 米中首脳会談を控えた9月20日と23日、スコット・ベッセント財務長官はカウンターパートとなる経済・金融が担当の何立峰副首相と二度にわたり協議を重ねた【チャート1】。ベッセント氏は23日付FOXニュース・インタビューで、2025年10月の首脳会談で結んだ「釜山合意」について、11月10日の期限を2027年1月10日まで延長すると表明。20日の協議は12時間に及んだものの懸案を残し、23日の会談では、小さな案件の積み上げを超えた「より大きな取引」の成否を探ったという。「より大きな取引」をめぐり、ベッセント氏は20日の協議で中国側代表団が提起したものだと説明したが、内容については明らかにしなかった。中国は2年の延長を求めたと伝えられるなか、同氏は大きな取引の実現も、現行合意の単純延長にとどまるかも見通せないとし、延長幅を2カ月に限定したという。

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