アメリカ南部のメキシコとの国境に、子どもだけの移民が殺到する異常事態が続いている。3月は前月から倍増し、史上最多の約1万9000人に達した。「移民危機」は、対応が後手に回ったジョー・バイデン米政権の急所になりつつある。
定員の16倍の子どもが密集
夜陰に紛れ、高さ4.3メートルの国境フェンス上にまたがった男が、抱えた少女を米国側にゆっくりと降ろしていく。地面まで高さ約2メートル。ボトリと落ちた少女は衝撃で前のめりに突っ伏し、約15秒間もうずくまっていた。2人目の少女を米国側に落とすと、男は奥にいたもう1人とともにメキシコ側に走り去った――。
ニューメキシコ州で3月30日夜、米国境警備隊の暗視カメラがとらえた密入国の瞬間だ。すぐに警備隊が駆けつけて少女たちは無事保護されたが、現場は最寄りの住宅まで数キロも離れた砂漠地帯だった。少女たちは南米エクアドル出身の5歳と3歳で、逃げ去った2人組は密航手引き人とみられている。……