約束通りの引退
2021年4月16~19日に開催された第8回共産党大会の最大のニュースは、ラウル・カストロ(89)が10年間務めた党第一書記の地位を退き、ミゲル・ディアスカネル=ベルムーデス大統領(61)に譲ることであった。
ラウルは2018年に、当時の国の最高指導者の地位であった国家評議会議長から退き、ミゲル・ディアスカネルに引き継いだ(翌年、憲法改正によって設けられた大統領職にディアスカネルが就き、国のトップは国家評議会議長から大統領に代わった)。今回共産党の最高指導者の地位である第一書記の地位からも引退することで、すべての公職から退き、彼の言葉を借りれば「一兵卒として引き続き党と革命に奉仕する」こととなった。
ラウルの引退そのものは驚くことではない。2008年に国家評議会議長に就任するときも、2011年に党第一書記に就任するときも、それぞれ5年の任期で再選1回、計10年務めたら退くと明言していた。ラウルはその約束を守り、それぞれ10年後にディアスカネルに譲ったことになる。
権力移譲という観点では不適切だったラウルの演説
しかし筆者は、ラウルの実質的な地位は今後も変化しないと考えている。……