政治

イラン大統領選――分裂した国民の「失望」と「熱狂」

2021年6月2日

6月18日に投票されるイラン大統領選の候補者が決まった。対米関係で融和政策を進めた8年間の保守穏健派から一変し、反米路線の保守強硬派の返り咲きがすでに確実視されている。国際社会からの注目とは裏腹に、イランでは深い失望と静かな熱狂が入り交じる。国民の不満を背景に体制の危機が指摘される現場で何が起こっているのか――。

 

始まりの日 候補者の登録

 5月11~15日、イランの首都テヘラン中心部のイラン内務省やその周辺の道路は連日、気温30度を超える夏空の下、大勢の人たちでごった返していた。1カ月後に迫った大統領選に立候補を希望する人たちと、その支援者たちが集まっていた。

 イランの大統領は憲法や法律でその要件が定められており、立候補を希望する人たちは選挙を担当する内務省で登録し、最高指導者アリ・ハメネイ師の強い影響下にある護憲評議会の資格審査を通過しなければならない。

 護憲評議会はハメネイ師が任命するイスラム法学者6人に加え、法律専門家6人の計12人で構成される。法律専門家も、ハメネイ師が長官を任命する司法府による推薦に基づき国会が信任する。このため、護憲評議会の判断にはハメネイ師の意向が反映されると考えられている。……

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