政治

なぜカザフスタン騒乱は「民主化のはじまり」ではないのか?

2022年2月22日

中央アジアのカザフスタンで起きた騒乱は、液化石油ガスの値上げという経済的要因と、ナザルバエフ院政への不満という政治的要因が結びつき大規模・急進化した。独立後、安定した権威主義体制を築いてきた同国に起きた異変。しかし、これを以て「民主化のはじまり」とするのは早計だという。

 

 2022年の年明けからカザフスタンで急速に大規模化し、全国へと拡がった抗議運動は、大きな注目を浴びることとなった。

 カザフスタンは、ユーラシア大陸の中央部に位置する、中国とロシアを隣国にもつ多民族国家である。1991年12月の国家としての独立とソヴィエト連邦の崩壊以来、豊富な石油資源による堅実な経済成長、そして「国父」として 約30年権勢を奮ってきたヌルスルタン・ナザルバエフの強力なリーダーシップのもとで、安定した権威主義体制を築いてきた。

 2019年3月にナザルバエフが大統領を辞任し、カシム−ジョマルト・トカエフが新大統領となった後も、ナザルバエフは国防・治安を担う安全保障会議の議長として政治的影響力を温存し、両者による「二頭体制」をつうじて漸進的な権力移行を目指していた。……

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