昨年10月ごろからウクライナ国境に大量の兵力を集結させ、圧力をかけていたロシアだが、2月24日、ウクライナの侵略を開始し、一気に首都キエフにまで迫った。当初は圧倒的な航空優勢と大量の地上軍の投入により、早期に決着がつくとみられていたが、ウクライナ軍の抵抗は激しく、ロシアが想定していたような結果を得られているわけではない。
しかし、戦力の差は歴然としており、NATO(北大西洋条約機構)諸国からの援軍が得られない以上、ウクライナ軍は武器供与などを受けつつも自力で対応しなければならず、どこかの時点で戦争としての決着はつくことになるだろう。もちろん、それはロシアの完全な支配を意味することではなく、将来にわたってウクライナを支配したロシア軍に対する抵抗運動が続くものとみられる。
ここでは、こうしたロシアによる侵略が、第二次世界大戦後作られてきた国連を中心とした国際秩序にどのような影響を与えるのか、国連での非難決議はどのような意味を持つのかについて論じてみたい。
「領土的な野心」に基づく武力行使
国連憲章では、安全保障理事会は専ら国際の平和と安全に責任を持ち、その責任を担う重要な役割を持つ国として、米英仏中ロの5カ国を常任理事国として憲章に明記している(中国は当初中華民国と書かれていたが、1971年に中華人民共和国に、またソ連は崩壊後にロシアが継承した)。……