EUで唯一の独裁国家を率いるオルバーン首相の総選挙圧勝は、米バイデン政権が掲げる「権威主義陣営との対決」に完全には追従しない国の強かな地政学を浮き彫りにした。ロシアのウクライナ侵攻について曖昧戦略をとる国は、インドをはじめ少なくない。民主主義陣営が対中国「競争的共存」を進める上で、こうした「異端児」国家も疎外せずに連携を築く度量と包容力が問われてくる。
***
「月から見えるほどの大勝利を収めた。(EU[欧州連合]本部がある)ブリュッセルからも確実に見える」
4月3日に実施されたハンガリー議会選挙でオルバーン・ヴィクトル首相率いる右派与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が勝利し、オルバーン首相は4選(通算は5選)された。同日夜、オルバーンはブダペストでの支持者向けの演説でそんな風に吠えた。ブリュッセルにその勝利宣言を聞かせてやろうとでも言うように。……