経済制裁は相手国の政策変更に繋がってこそ意味を持つ。そのためには軍事力や外交交渉と組み合わせたメカニズム構築が重要だが、対ロシア経済制裁はここまで何が行われ、どのような効果が上がっており、プーチン体制に何を判断させることが狙いなのか。開始から現在地点までを検証する。
***
「西側は金融システムを武器化している」。ウラジーミル・プーチン大統領は3月31日、こう述べた上で西側諸国にロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払うよう求めた。欧米諸国はこの要求に応じず、ブチャにおける民間人の虐殺が明らかになると制裁強化に踏み切った。
経済制裁とは、相手国の方針の転換をはかるため、経済的な痛みを与える政策である。米国、欧州、日本など世界30カ国以上が結束してロシアに対し発動している経済制裁は、その対象の広範さ、そして迅速さにおいて過去に類を見ない強烈なものである。それでも、制裁の効果はあがっているのか、経済制裁でロシアの侵略は止まらないではないか、という声が聞かれる。……