「出生数80万人割れ」が目前に迫る
前回、『「子ども4人目以降1000万円」の「異次元子育て支援」試案:ゲゼル通貨という選択肢』というコラムを執筆した(5月19日掲載)。なぜ、筆者がこのような政策提言をしたかといえば、数年前の予測を遥かに超えるスピードで少子化が加速していることに、強い危機感を持っているからだ。
1人の女性が生涯に産む平均的な子どもの数を「合計特殊出生率」というが、厚労省が6月上旬に公表した2021年における合計特殊出生率は1.30であった。6年連続の低下であり、これ以上少子化を放置すれば、取り返しがつかなくなるだろう。
新潮社「フォーサイト」の読者の中には、現在、出生数80万人割れが、政府予測より10年近く前倒しになりそうな状況にあるということを、既にご存じの方も多いだろう。厚労省「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況」によると、2000年に約119万人であった出生数は、2020年に約84万人まで減少し、80万人割れが目前に迫っている。約20年間で35万人減、年間平均で約1.7万人の減少である。
出生数が毎年このペースで減少していけば、単純計算で、20年後(2040年頃)の出生数は50万人(=84万人-35万人)を下回る。その20年後(2060年頃)の出生数は15万人(=84万人-35万人×2)を割るかもしれない。これは大雑把な試算で、やや乱暴である。もう少し精緻な方法により、筆者が独自の簡易推計を行ったところ、出生数が50万人を割るのは、現在から約30年後の2052年となった。……