政治

ロシア・ウクライナ戦争が要請したヨーロッパの戦略的自律(2022年7・8月-2)

2022年10月1日

ロシア・ウクライナ戦争はまもなく「冬」という最大の危機を迎える。厳しいエネルギー不足に直面してもなお、結束してウクライナ支援を続けられるのか。ヨーロッパに突き付けられる問いは一方で、米国の安全保障に依存しない「戦略的自律」をも要請する。(第1部から続きます)

 

4.長期化する戦争、不満が鬱積するヨーロッパ

必ず来る「冬」という危機

 地球の裏側のウクライナでも、緊張は続いており、戦争が終結する見通しが立たない。カーネギー国際平和財団のタティアナ・スタノヴァヤは、ロシアが戦争を継続する大きな理由として、自分たちが戦争に勝ち続けているとウラジーミル・プーチン大統領が認識している点を指摘する[Tatiana Stanovaya, “Putin Thinks He’s Winning(プーチンは自分が勝っていると思っている)”, The New York Times, July 18, 2022]。

 キーウから撤退し、前例のない制裁を受け、国際的な非難に晒されていながらも、プーチンはすべてが計画通りだと考えている。いわば自らのプロパガンダに、自らが虜になってしまっているのかもしれない。プーチンは西側諸国が、選挙ばかりを考えてロシアに攻撃的な「悪徳な西側」と、ロシアとの正常な関係を望んでいるハンガリーのヴィクトル・オルバン首相、フランスの「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏、アメリカのドナルド・トランプ前大統領のような「善良な西側」とに分かれていると考えている。そのような世界観の中にいるプーチンとの間で、和解や停戦を摸索するのは難しい。……

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