中国共産党の新指導体制は習近平総書記(国家主席)の側近中心で固められた。李克強首相とその後継者との見方もあった胡春華副首相が指導部から排除され、実権を制限された首相に代わって経済政策を主導したという劉鶴副首相も引退する。今後は来年3月の全人代(全国人民代表大会)で首相就任が確実視される上海市トップの李強氏(1959年生)と、劉鶴氏から国務院金融安定発展委員会主任(金融行政トップ)の座を継ぐと目される何立峰・国家発展改革委員会主任(1955年生)の習派コンビが、中国経済の舵取り役になりそうだ。
李強氏は中国経済の牽引車である江蘇省トップを務めた以上、ある程度の経済理解はあるとされるが、その手腕は藪の中だ。何立峰氏は現職から想定される「中央国家機関」の代表としてではなく、「金融系統」の代表として党大会へ参加したことに体制の意思とコンセンサスが汲めるものの、計画経済の専門家という位置づけになる。
7月~9月のGDP(国内総生産)は前年同期比3.9%増と、政府が見込んだ5%台を下回った。李克強氏に代表される市場重視派の退場に景気失速懸念も重なって、金融・資本市場では「中国売り」が広がっている。そうした中で注目を集めているのが、中国人民銀行と銀行保険監督管理委員会(以下、銀保監会)という、マクロ経済運営の司令塔をめぐる党人事だ。
ポスト習近平まで生き残れるのは「70後」世代?
実は今回の党人事で、人民銀行と銀保監会の首脳陣から中央委員(党序列205位まで)と中央委員候補(171人)には一人も選出されていない。前回党大会時(第19期中央委員会)は現人民銀行行長(総裁=閣僚級)の易綱氏(1958年生)が中央委員候補、同副行長・潘功勝氏(1963年生)が中央委員候補、同副行長と銀保監会主席を兼務する郭樹清氏(1956年生)が中央委員に選出されており、選出ゼロは異例の事態だと言える。3人はいずれも退任が有力視され、人民銀行総裁は年内にも交代する可能性がある。……