2022年2月24日にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから9カ月が経つ。その間のサイバー戦について概観すれば、ロシアによる今までのサイバー攻撃の成功度から予想されていたほどの被害はウクライナに発生していない。
ミカ・ヨヤン米国防次官補代理(サイバー政策担当)は11月16日に米アスペン研究所がニューヨークで主催したサイバー・サミットに登壇し、「ロシアのサイバー部隊も伝統的な部隊も当初の予想を下回る成果しか上げられていないと言って差し支えないだろう」と指摘した。
その理由を踏まえながら、ロシア・ウクライナ戦争で浮かび上がったサイバーセキュリティの課題と今後の注意点について考えたい。
ロシアの誤った見積もり
ロシアのウクライナへのサイバー攻撃が思ったほど効果を発揮していない理由は、ロシア側とウクライナ側の事情においてそれぞれいくつか考えられるだろう。……