政治

金正恩はなぜ「娘」を公表したか

2022年12月9日

ミサイルの脇を歩く金正恩党総書記と少女――その映像は、ICBMの発射に並ぶ衝撃を世界に与えた。だが、それを後継者の暗示と考えるべき根拠は薄い。「首領の脱・神格化」路線に基づいた「白頭の血統」の金正恩流プロパガンダと見るべきだ。

 北朝鮮は11月18日、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射した。このICBMは意図的に角度を高くして飛距離を抑えるロフテッド軌道で発射され、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』(11月19日付)によれば、最大高度6040.9キロまで上昇し、飛距離999.2キロ、4135秒(1時間8分55秒)飛行した。速度はマッハ22だった。

 浜田靖一防衛相は、通常角度で発射すれば飛距離は1万5000キロを超え、米国本土が射程に入るとの認識を示した。直径2.3~2.4メートル、長さ23~24メートルとみられるこのICBMは世界でも最大規模とされ、韓国では「怪物ICBM」と呼ばれていた。北朝鮮は今年に入り、この「怪物ICBM」の発射実験を繰り返していたが、今回、遂に発射実験に成功したとみられた。

 さらに『労働新聞』は、北朝鮮が既に明らかにした「戦術核運用部隊」以外に「大陸間弾道ミサイル部隊」を運営していることを明らかにした。北朝鮮は戦術核、戦略核の運用部隊を既に設置していることが明らかになった。

「白頭の血統」挙げての発射実験参観

 しかし、この「怪物ICBM」の発射成功以上に内外の関心を集めたのは、11月19日付『労働新聞』に掲載されたある少女の写真だった。『労働新聞』はICBM発射に関連し4面にわたり、計23枚の写真を掲載したが、そのうち5枚は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が、10歳前後とみられる少女と一緒に写ったものだった。……

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