政治

グローバルサウスと「価値を共有」した中東主要国

2023年1月3日

中東はロシア・ウクライナ戦争と米国の中東関与が低下する中で自立化と自己主張を強め、「グローバルサウス」筆頭格の地位を確立しつつある。日本がこの膨大で有力な地域・諸勢力の動向に疎くなれば、「西側」の先進国としての地位そのものを維持できなくなるだろう。

※この論稿は「中東通信」コーナーにも掲載されています。

   2022年も大晦日となった。フォーサイト編集部からは、各種の寄稿の打診や企画のお誘いをいただくが、学内シンクタンクROLESの組織運営や海外拠点形成にかかりきりで、反応できないことが多くて心苦しいところである。

   2021年はこの「中東通信」欄に、12月に一気に10本のまとめを寄稿した。これは1年の振り返りというよりは、その前の5年ほどに積み重なり顕在化していた中長期的な変化をまとめたものだった。今年も年末に、走り書きになってしまうが、この1年を回顧しておこう。

ロシア・ウクライナ戦争が中東に及ぼした影響

   2022年の1年で、世界は、中東はどう変わったか。いうまでもなく、ロシア・ウクライナ戦争があり、それは中東地域と、中東の主要国に大きな影響を及ぼした。

   まず、ロシア・ウクライナ戦争により、中東が9・11事件とアフガニスタン戦争以来の約20年ぶりに、あるいは1991年の湾岸戦争以来の約30年ぶりに、国際社会の「危機の震源」の地位を「失った」。危機がなくなる、あるいは危機とみなされなくなることは、ひとまずは肯定的に捉えられることだろう。とはいえ、「危機の震源」であることを常態として、半ばそれによって政治的・経済的に成り立っている面もあった中東である。「危機の震源」とみなされなくなったことは、今後、深く大きい意味を持つだろう。……

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