厚生労働省は、来年度から、65歳になった高齢者などを対象に帯状疱疹(ほうしん)ワクチンの定期接種を始めると発表した。現在は、50歳以上や、がん患者などハイリスクの人を対象に接種が行われているが、任意接種のため、約8000円~4万4000円の自己負担が必要となる。この負担が軽減されるのはありがたい。
帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹自体を予防するだけでなく、認知症など様々な疾患を予防する可能性が指摘されている。最新の研究成果を踏まえ、このワクチンについて解説したい。
「お岩さん」も帯状疱疹?
まずは、帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster virus, VZV)について説明しよう。水痘ウイルスは、ヘルペスウイルス科に属し、水痘(水ぼうそう)と帯状疱疹を引き起こす。飛沫や接触で広がり、初感染時には水痘を発症する。その後、ウイルスは神経節に潜伏し、免疫力低下時に増殖(再活性化)して帯状疱疹を引き起こす。
帯状疱疹は、一旦、発症すると長期にわたり痛みが続く。私にとって、最もなりたくない病気の一つだ。……