政治

AfDの政党活動を禁止すべきなのか、ドイツ社会の分断と政治危機

2025年5月22日


<span>AfDの政党活動を禁止すべきなのか、ドイツ社会の分断と政治危機</span>
政党活動の禁止によって「殉教者」の地位に追い込まれれば、党への熱狂はむしろ強まる可能性もある[AfDの政党活動禁止を求めるデモ隊=2025年5月11日、ドイツ・ベルリン]

独連邦議会で全体の4分の1近くの議席を占める「ドイツのための選択肢(AfD)」について、連邦憲法擁護庁は5月に「右翼過激派」として認定したが、同党からの提訴を受け判断を保留中だ。ドイツでは、支持を伸ばし続ける同党の政党活動禁止の是非を巡って議論が熱を帯びる。支持者はAfDこそが「真の民主主義政党」であり、既存政党とは違って自分たちの声を代弁してくれると信じている。それゆえに、AfDを抑制しようとする当局の動きは、さらなる分断を招きかねない。

 5月2日、ドイツの調査機関・連邦憲法擁護庁は、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を「右翼過激派に確定」と認定した。過去には「右翼過激派の疑いあり」とされていただけだったが、その確度を上げた。この判断に対し、AfDが撤回を求めて連邦憲法擁護庁を提訴したことで、この分類は一旦停止され、その判断は裁判所に委ねられている。

 しかし、これまでの州・連邦当局による同党の右翼過激派認定に対し、AfDが起こした訴訟で判断を撤回できたことはない。「右翼過激主義の疑いあり」という判断をめぐる連邦憲法擁護庁に対する訴訟においても、2024年5月、ノルトライン・ウェストファーレン州高等行政裁判所はその正当性を認めた。

 AfDが右翼過激派に確定された場合、当局は同党監視に、より諜報的な手法を使えるようになる。さらに独基本法第21条第3項で自由民主主義の基本秩序を損なう政党は国家の資金を受けられないと定められているため、同党が公的資金を受けられなくなる可能性もある。

 加えて、政府または連邦両院はAfDの政党活動の禁止の申請を憲法裁判所に訴えやすくなる。そのため、ドイツではAfD禁止の是非に関する議論が高まっている。5月2〜3日に約1000人を対象に実施された調査機関インサによる世論調査では、回答者の48%がAfD禁止に賛成していた。……

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