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マサチューセッツの森で18年間、禅を教えて

2026年5月23日


<span>マサチューセッツの森で18年間、禅を教えて</span>
アメリカ東海岸・マサチューセッツ州の湖畔(Jon Bilous/ shutterstock.com)

 2011年に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏が有名だが、アメリカには禅の教えに傾倒する経営者やクリエイターが多い。しかしなぜ、アジアから遠く離れた地で禅の教えが受け入れられたのだろうか。西海岸カリフォルニアと双璧を成すアメリカにおける禅の発信拠点・マサチューセッツ州のパイオニア・バレー禅堂。そこで1987年から2005年までの18年間、禅の指導を続けた藤田一照氏に聞いた。

東洋思想への「素地」があった東海岸

「バレー禅堂では日本から持ってきたお茶箱に小さな穴を開けて、『No donation requested, no donation refused』と書いて置いていました。『お布施は要求しませんがお断りもしません』という意味ですね」

 そう話すのは、葉山を拠点に座禅会や執筆、ワークショップなどの活動を続ける禅僧の藤田一照氏だ。

 藤田氏が住持を務めたパイオニア・バレー禅堂は、会員制度などはなく、料金を一切とらない完全な「ドネーション・ベース」で運営されていた。毎週日曜日の朝5時から夕方まで一日のリトリート、年1回の5日間の接心(朝4時から夜21時まで座禅を続ける修行)を開催するたび、参加者が自主的に寄付した金額だけが収入源だった。

「毎回終わるたびに箱を開けると、一人5ドルとか10ドル、時には小切手で1000ドル入っていることもありました。給料として支給されるお金はゼロだったので、ある時は大工をやって、ある時は畑を耕して。決して裕福ではありませんでしたが、なんとか生き延びられた。ある意味、奇跡のような感じでした」

 なぜマサチューセッツ州という、仏教が生まれ育まれたアジアから遠く離れた地で、禅の指導だけで生計を立てることができたのか。藤田氏は、東海岸特有の文化的背景を指摘する。

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