国民会議での“波紋発言”
筒井義信経団連会長(日本生命保険特別顧問)が就任して1年を迎えた。金融機関から初めて財界総理の座に昇り詰めた筒井氏を巡っては当初、財界からも高い期待が寄せられていた。金融機関出身者として財政や金融などのマクロ経済に通じた立場から、政府に対して厳しく注文する役割が大きく注目され、「経団連の存在意義を高めてくれるのではないか」との期待が強かったからだ。
だが、昨年10月に「責任ある積極財政」を掲げる高市早苗首相が誕生すると、首相が議長を務める経済財政諮問会議で、経済界代表として民間議員に選ばれた筒井会長が、政府に対してマクロ政策で注文する場面はほとんど見られなくなった。日本生命など保険各社の社員が出向先企業の情報を本体に漏洩させていた不祥事も重なり、筒井経団連に対する期待は急速に後退していたのは確かだ。
ところが会長就任から1年となる今、その筒井会長に対する期待が再び高まっているという。与野党で消費税減税や給付付き税額控除の制度設計を議論する「社会保障国民会議」で、産業界を代表して経団連が飲食料品の消費税減税に反対する姿勢を明確に打ち出したからだ。また、イラン情勢に絡み、日本も石油や石油製品の節約を促すように求める発言をするなど、ここに来て高市政権に注文する姿勢が明確になってきた。
筒井経団連は本当に変身しつつあるのだろうか。