社会

【考察・インバウンド】訪日外国人が「年間4000万人」時代に町は何を“防波堤”にすべきか――映画『君の名は。』で注目された岐阜県飛騨市に学ぶ「オーバーツーリズム」対策の本質

2026年5月2日


<span>【考察・インバウンド】訪日外国人が「年間4000万人」時代に町は何を“防波堤”にすべきか――映画『君の名は。』で注目された岐阜県飛騨市に学ぶ「オーバーツーリズム」対策の本質</span>

 今年1月から6月までの訪日外国人が初めて2000万人を突破した。年間で推計4000万人もの外国人が訪れることになる各自治体の観光地では、オーバーツーリズム対策に頭を悩ませている。

 国内屈指の観光エリアとして知られる、岐阜県飛騨地方。ユネスコ世界文化遺産の合掌造り集落を有する白川村や、古い町並が人気の高山市には多くの外国人観光客が押し寄せ、交通渋滞や観光客のマナーの悪さなどの問題が常態化している。オーバーツーリズムによる喧騒を横目に、同じ飛騨地方にありながらまったく異なる道を歩んでいるのが飛騨市だ。同市の観光政策は、オーバーツーリズムに対する単なる対症療法ではない「持続可能な観光地の未来」のあり方を示唆している。【堀尾大悟/ライター】

活況の陰で進みつつある「浸食」

 年間200万人――人口1500人に満たない白川村には、キャパシティをはるかに超える観光客が押し寄せる。人気イベントの予約制導入や「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」の呼びかけなど、同村はオーバーツーリズム対策に追われている。

 同じく飛騨地方の高山市も、年間の外国人宿泊客数は約77万人(2024年)。前年の約45万人から大きく増加している(高山市外国人観光客宿泊統計)。同市は、30年以上にわたって地道な海外プロモーションを行ってきた「観光先進自治体」として知られ、今日の活況はその努力が結実した形だが、かつての町の姿を知る人々からは“寂しい”という声も聞こえてくる。

「久しぶりに訪れた日本人観光客からは“昔と雰囲気がすっかり変わりましたね”と残念そうに言われることもあるようです」

 飛騨地方の観光政策に携わる、ある自治体関係者はこう語る。……

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