連載 > 社会

韓国の奈良から学ぶ

2026年6月8日


<span>韓国の奈良から学ぶ</span>

  慶州が若者に人気らしい。韓国の話である。慶州は韓国南東部に位置する古都。日本でいえば奈良が近いだろうか。人口は奈良市より少ない約24万人。新羅千年の都とも呼ばれる。「若者に人気」というのはメディアがよく使う煽り文句だが、実際に訪れてみると若い世代が多かった。特に国立慶州博物館は若いカップルや家族連れが目立った。後期高齢者に絶大な支持を誇る奈良の博物館とは真逆である。

 街にはSNS映えする場所があふれている。韓服をレンタルして、距離的に近い瞻(チョ)星(ムソ)台(ンデ)、大(テル)陵(ンウ)苑(ォン)、皇(ファ)理(ンニ)団(ダン)キル(キルは「通り」の意)を回るのが定番らしい。瞻星台は7世紀に建造された東アジア最古級の天文台。大陵苑は古墳が集まった公園だ。この古墳はプロジェクションマッピングで照らし出されることもある。去年秋には、APEC首脳会議が慶州で開催され、トランプ大統領も訪れた。千年の遺跡を舞台装置として戦略的に利用することで慶州観光は成立しているのだ。ちなみに慶州は、原発や放射性廃棄物処分場の街でもある。財政状況の悪い田舎町だったのだ。

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する