経済・ビジネス

ドイツ連邦議会選挙の勝敗を決める「気候保護の値札」

2021年7月13日


<span>ドイツ連邦議会選挙の勝敗を決める「気候保護の値札」</span>

9月のドイツ連邦議会選挙で主導権を握ると見られていた環境政党・緑の党の勢いにブレーキがかかった。理由は、緑の党のマニフェストに掲げられた「炭素税の大幅な引き上げ」だ。実現すればマイカー通勤者には大きな打撃となる。一方でCDU・CSUは政策から数値目標を省く戦略で緑の党に「増税党」というイメージ付けを狙い、足元では支持率を逆転している。

 ドイツでは9月26日に連邦議会選挙が行われる。アンゲラ・メルケル首相の後継者が決まる、重要な選挙だ。選挙戦では当初緑の党が優勢だったが、6月以降は支持率が急落している。最大の理由は、緑の党がマニフェストの中で炭素税の大幅な引き上げを打ち出し、有権者が地球温暖化対策の「値札」の高さに気づき始めたからだ。

緑の党の支持率が急落

 公共放送局ドイツ公共放送連盟(ARD)が6月10日に公表した政党支持率調査の結果によると、緑の党の支持率は前月の26%から6ポイント減って20%に下落した。逆に保守政党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の支持率は、前月の23%から28%に増えた。

 

引き金はマニフェストに関する報道

 緑の党の支持率が急落した最大の理由は、6月に入ってから同党のマニフェストに関するメディアの報道・分析が増えたことだ。この報道により、市民の目に「緑の党が政権入りした場合に、生活がどのように変わり、環境保護のためにどの程度コストが増えるか」について具体的なイメージが浮かび上がってきた(マニフェストの草案は今年4月からネット上で公開され、6月の党大会で採択された)。

 端的に言うと、緑の党はドイツを「エコロジー中心の社会」に変えようとしている。同党はマニフェストの中で、ドイツで「エネルギー革命」を起こし、交通、暖房、製造業、農業などあらゆる分野で環境保護を重視することを宣言している。特に重要な課題は、地球温暖化・気候変動に歯止めをかけることだ。同党は、2015年のパリ協定に基づき、地球の平均気温の上昇幅を、工業化が始まる前に比べて1.5度に抑えることを目指している。そのために現政権の気候保護目標をさらに厳しくする方針だ。……

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