医療・ウェルネス

待望の新型コロナ飲み薬:「モルヌピラビル」への期待と日本の課題

2021年10月28日


<span>待望の新型コロナ飲み薬:「モルヌピラビル」への期待と日本の課題</span>

世界のコロナ対策は転換点を迎えた。米メルク社が開発する「モルヌピラビル」は、軽症から中等症のコロナ患者のリスクを低下させるだけでなく、家族や接触者の感染予防にも道を開く。ただし、その供給量はまだ限定的で、各国の獲得競争になるのは確実だ。日本はワクチン確保の教訓を生かすと同時に、途上国との格差問題にも向き合わねばならない。

   冬が近づき、北半球では新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染が再拡大しつつある。特に欧州諸国の感染拡大は顕著だ(図1)。

 

   世界は感染拡大対策に余念がない。その中核は、ワクチンの追加接種と治療薬の確保だ。本稿では、後者についての世界および日本の状況についてご紹介したい。

   10月1日、コロナ対策は転換点を迎えた。米メルク社が、軽症から中等症のコロナ患者を対象とした経口治療薬モルヌピラビルについて第3相臨床試験の中間解析の結果を発表したからだ。この試験では、無作為割り付けから29日間に入院または死亡した患者は、モルヌピラビル投与群で7.3%(385例中28例)、プラセボ群で14.1%(377例中53例)だった。モルヌピラビル投与により、入院または死亡のリスクを48%低下させたことになる。

   この臨床試験では、さまざまなサブグループを対象とした解析も行われているが、基礎疾患を有するハイリスク群、デルタ株・ガンマ株・ミュー株などの変異株に感染した群など、すべてのサブグループ解析でモルヌピラビルの有効性が示された。モルヌピラビルは高齢者や持病のある人、デルタ株に感染した人に対しても期待できそうだ。……

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