政治

『敗北を抱きしめて』ジョン・ダワーが評価した、日本の戦意高揚映画と戦争モチーフ着物に見られる「近代性」

2021年11月22日


<span>『敗北を抱きしめて』ジョン・ダワーが評価した、日本の戦意高揚映画と戦争モチーフ着物に見られる「近代性」</span>
筋金入りの「反戦」派であるジョン・ダワー氏だが、戦時中の日本で作られた戦意昂揚映画などに日本独自の近代化の発展を見出した( Everett Collection / Shutterstock.com)

 アメリカの歴史家ジョン・ダワーと深い親交のあるジャーナリスト会田弘継氏は、ある日「日本の明治維新とアメリカの南北戦争」を発端に「日本近代史観」について語り合った。アメリカ同様に「半封建・半近代」国家だった日本は、アメリカを後追いしながら近代化したのではなく、両国の通った道はパラレルだというダワーの指摘。それはベトナム戦争体験から導かれた、西欧主導の近代観への深い懐疑から生まれていた。

 アフガニスタンでの米国主導の国家建設・民主化が失敗に終わり、その正当性が見失われたいま、ダワーの提出した相互に影響し合う「諸近代」という概念の持つ意味は重い。

 会田氏の著書『世界の知性が語る「特別な日本」』(新潮新書)から、そのエッセンスを抜粋して紹介する。

被災者へのメッセージ

 東日本大震災の発生直後、まず連絡を取ってみたのは、アメリカの歴史家ジョン・ダワー(1938~)だった。東北の被災者に、さらには日本人すべてに向けたメッセージを、とボストンの自宅に電話を入れて依頼した。敗戦後の日本社会を描き切った傑作『敗北を抱きしめて』(1999年)の著者である。いまこそ、きっと伝えたいことがあるだろう。そう思ったからだ。……

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