経済・ビジネス

カンボジアの中銀デジタル通貨、導入1年で見えた課題と新たな利用

2022年3月15日

運用開始から1年余りが経ったカンボジアの中央銀行デジタル通貨、「バコン」の普及が壁にぶつかっている。コロナ禍で電子決済の需要は急速に高まっているものの、民間銀主導の電子決済システムが先に普及したことが背景にある。先進国に先駆けて導入されたバコンは今後、銀行間決済や海外送金を支える基幹システムとしての利用に重心を移して行くと見られる。

「買い物の支払いでバコンは使いません。ほかのアプリで決済しています」。そう話すのは、カンボジアの首都プノンペン在住の女性(40代)だ。

「バコン」はスマートフォンのアプリを通じ、電話番号やQRコードで店舗への支払いや個人間・企業間の送金ができる決済システム。フィンテック企業、ソラミツ(東京都渋谷区)が開発に携わり、2020年10月に本格運用が開始された。

 バコンにはソラミツが開発したブロックチェーン(分散型台帳)技術「ハイパーレジャーいろは」のシステムが導入され、送金手数料が無料で、従来の電子決済より速く、より安全に支払うことができるデジタル通貨として注目を集めた。カンボジアが目指す「デジタル先進国」の要となる通貨として期待が高まっていた。

 ところが、21年10月時点のバコンのリテールユーザーは約20万人と、カンボジアの人口1700万人の1%程にとどまっている。バコンが利用できる店舗も約5000店舗で、市中で利用できる場所は少ない。……

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