経済・ビジネス

仮想通貨下落が北朝鮮の“窃盗資産”を脅かす

2022年7月4日

サイバー攻撃で多額の仮想通貨を盗んできた北朝鮮を、市場価格下落が直撃した。米ブロックチェーン分析会社は、同国の保有暗号資産が半分以下に目減りしたと見積もる。兵器開発への影響も必至だ。

[ソウル発(ロイター)]暗号資産(仮想通貨)市場の暴落によって、北朝鮮のハッカー集団が盗んできた何百万ドルもの資産が飛んだ、とデジタル業界に詳しい4人の調査員が証言した。制裁下にある北朝鮮にとっては貴重な資金源が脅かされる事態だ。仮想通貨の現金化が悩ましい問題となるばかりか、兵器開発の資金計画にも影響が及ぶだろう、と韓国政府筋2人が匿名を条件に語った。

 仮想通貨の突然の下落が始まったのは今年5月。世界的な経済失速の中での株価下落が波及した。ビットコインは今年に入って54%も下落し、その他の仮想通貨も同様の打撃を受けている。

   北朝鮮が過去に手に入れ、未だロンダリングしていない保有暗号資産は、今年頭の時点での1億7000万ドル(約221億円)から6500万ドル(約84億5000万円)まで目減りした、とニューヨークに拠点を置くブロックチェーン分析会社チェイナリシスは言う。この中には、北朝鮮が2017年から2021年にかけて49回のハッキングで盗んだものも含まれている。別の米ブロックチェーン分析会社TRM Labs のニック・カールセンによれば、2021年に北朝鮮が盗み出した仮想通貨は数千万ドル相当だったが、この数週間で80%から85%下落し、今では1000万ドルにも満たないという。

   この数年、北朝鮮は仮想通貨の窃盗に注力してきた。米財務省が過去最悪の仮想通貨窃盗事件と見なすのが、今年3月に人気オンラインゲームAxie Infinity のブロックチェーンネットワークRoninがハッキングされ、6億1500万ドル(約799億円)が盗まれた事件だ。ラザルスと呼ばれる北朝鮮のハッカー集団による仕業だったと米当局は見ている。……

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する