政治

ペロシ訪台を「脅しの情報戦」に使う習近平と「網民」ナショナリズムの危険な火遊び

2022年8月5日

ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台を受け、米台のみならず日本をも巻き込む危険なゲームを始めた習近平指導部。彼を駆り立てているのは、「網民」と呼ばれる中国のネット民に広がる戦狼外交への心酔とナショナリズムだ。国内世論を味方に展開する「脅しの情報戦」――。

 

 ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を受け、中国の習近平指導部は、台湾を包囲した「重要軍事演習」を強行し、弾道ミサイルを相次ぎ発射した。「やられたらやり返す」を信条とする「戦狼外交」をパワーアップした「脅しの情報戦」と捉えるべきだろう。米国と一戦を交える考えなど毛頭もないにもかかわらず、実際の台湾侵攻を思わせるリアルな軍事演習映像を即座に発信することで、「台湾に触れれば、ただでは済まないぞ」と、米日欧の民主主義陣営や台湾の蔡英文総統に対して「本気度」を誇示することが目的だ。そして「敵」が委縮する間に、「台湾包囲演習」を常態化させ、「台湾封鎖」を既成事実化する――。

 日本を巻き込む習近平の危険なゲームが幕を開けた。

戦狼外交に心酔する国内ナショナリズムを味方に

 習近平指導部は、インターネットが普及していなかった1995~96年の「第三次台湾海峡危機」とは異なり、情報・サイバー戦などSNS時代における新たな危機の戦い方を意識している。……

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