先日ミュンヘンのスーパーマーケット、レーヴェの牛乳売り場に行って、驚いた。1リットル入りの牛乳の値段が1.68ユーロ(235円・1ユーロ=140円換算)になっていた。周りを見回すと、全ての牛乳の値段が1ユーロ(140円)を超えている。ウクライナ戦争が始まる前には、1ユーロ出せばつり銭が返って来る牛乳があったが、今は一つもない。
安売りスーパーとして知られるアルディは、今年7月1日に1リットル入り牛乳(有機農法で作られたビオ牛乳)の値段を1.15ユーロ(161円)から一挙に1.69ユーロ(237円)に引き上げた。約47%の値上げは、異例だ。またビオ牛乳以外の牛乳の値段も、0.92ユーロ(129円)から1.09ユーロ(153円)に引き上げられた。
牛乳値上げの主な理由は、生産者価格の上昇である。ドイツ連邦食糧農業省によると、今年7月の牛乳100キログラムの生産者価格は1年前に比べて53.7%も上昇して、55.04ユーロになった。その理由は、電気代や農家が使うトラクターのディーゼルエンジン用の軽油、肥料価格などが上昇したためである。
また小売価格の上昇には、ガス価格の高騰も影響している。乳製品の製造には、ガスが多く消費される。ロシアが今年6月以降パイプライン「ノルドストリーム1」を通じたガスの供給量を大幅に減らし、8月31日には完全に停止したために、今年8月下旬には1メガワット時のガスの卸売価格が一時300ユーロを超えた。1年前の同じ時期に比べて7倍近い上昇率である。……