ロシアによるウクライナ侵攻は二年目に入り先はまだ見えない。この戦争が終わる可能性はあるのか、あるとすれば、どのような形があり得るのか。ヨーロッパの安全保障を専門とし、新著『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書)を刊行した鶴岡路人氏が、ヨーロッパの国際政治が専門で、ウクライナ研究会副会長も務める東野篤子氏とともに、「戦争の出口」を考える。
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「凍結された戦争」がもたらすもの
東野篤子 私たち二人は、この戦争の終わり方については相当に悲観論を共有していて、このまま「凍結化」してゆく恐れが最も強いと考えています。戦闘は少しずつ収まって、犠牲者は減っていくかもしれない。ロシアの継戦能力にも限界が出てくるかもしれないけれど、ロシアがウクライナ東部・南部4州の「併合なるもの」を宣言して、憲法にも書き込んでしまった以上、あくまでロシアだけから見ての話ですが、これを正式に撤回するハードルは極めて高くなってしまったわけです。
プーチンの後に、東部・南部4州をロシアの憲法を変えてでもウクライナへ返す用意のある指導者が出てこない限り、そもそも交渉が成立しません。そしてウクライナも、4州がロシア領であるとの前提での交渉はできませんから、戦争は長期化するしかない。……