各国首脳のキーウ詣では、依然として続いている。米大統領ジョー・バイデンや日本の首相岸田文雄を含め、皆ポーランドから列車で片道十時間以上かけて入り、ウクライナの大統領ウォロディミル・ゼレンスキーと会談する。キーウ郊外の激戦地ブチャやイルピンを視察し、ロシア軍の侵攻を批判し、一刻も早い撤退を求め、ウクライナへの支援と連帯の意思を表明する。
6月16日に到着したアフリカ7カ国の代表団も、そのような訪問団の一つだった。一行の首脳は、南アフリカ大統領シリル・ラマポーザ、アフリカ連合(AU)議長国コモロの大統領アザリ・アスマニ、AU前議長国セネガルの大統領マッキー・サル、ザンビア大統領のハカインデ・ヒチレマの4人である。これにウガンダ、コンゴ共和国(コンゴ・ブラザヴィル)、エジプトの代表も加わった。
ただ、他の訪問団がメディア向けの演出のなかで手際よく日程をこなし、颯爽と去っていくのに対し、この代表団はどことなくぎこちなさが抜けなかった。首脳のうち南アのラマポーザは「ロシア寄り」と見られる一方、ザンビアのヒチレマはウクライナ支持の立場を取り、訪問団内でも意見が一致しているとは言い難い。AU議長アスマニと地域大国首脳ラマポーザとの主導権争いもあったという。また、訪問先のキーウでも、その後回ったロシアでも、代表団は大歓迎というより、ぎくしゃくした調子で迎えられた。戦況や国際社会の動向に影響を与える訪問とも見なされず、欧米のニュースの扱いは地味だった。
もっとも、代表団の背後には、何やら怪しげで、しかし無視もできない動きが見え隠れする。その実情を探ってみた。……