新型コロナの夏場の流行が拡大している。筆者は、「ナビタスクリニック新宿」で外来診療を担当しているが、最近は発熱患者が増え、その約半分はコロナ感染だ。ナビタスクリニック新宿は新宿駅ナカという特殊な立地のため、受診者の多くは若年者だ。幸い、皆さん、軽症で問題なく治癒する。
コロナ感染の拡大は東京に限った話ではない。感染症法上の位置づけが5類に変更され、感染の全貌が掴みにくくなったが、札幌市が公開している下水サーベイランスのデータ(図1)では、6月末に既に昨夏の最高レベルと並んでいる。その後、一時的に改善したものの、最近は再び急増している。他の地域も状況は大差ないだろう。そしてこの調子なら、今冬はさらに大きな流行がくるだろう。
我が国のコロナ対応の問題は、老衰や誤嚥性肺炎による、高齢者の死者が激増したことだ。感染を恐れて、自宅に閉じこもった高齢者が健康を害したためで、これは高齢社会ならではの問題だ。これに対応するには、高齢者にワクチンを接種し、日常生活を続けてもらうのがいい。
ファイザー「優位性」の説明は不正確
7月28日、厚労省は、秋以降に接種予定の変異株対応コロナワクチンとして、米ファイザー社から2000万回接種分、米モデルナ社から500万回分を購入することで合意したと発表した。これは迷走の末、大きな禍根を残す決着だった。その実態を、背景も含めて解説したい。……