経済・ビジネス

逆風の洋上風力発電事業、インフレ条項NGで泣きっ面に蜂

2023年12月26日

建設期間が長くコストも高い洋上風力発電にはインフレ対策が欠かせない。ところが、政府公募の入札ルールにはインフレ調整条項が存在しない。2023年、インフレに直撃された欧米では洋上風力発電開発事業からの撤退が相次いだが、日本のプロジェクトは大丈夫か。

 政府は2023年12月13日に、再生可能エネルギー海域利用法に基づく2023年度洋上風力発電事業者入札の選定結果を発表した。「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖」は東京電力ホールディングスと中部電力の合弁会社JERA/Jパワー/伊藤忠商事/東北電力の4社連合が選ばれた。「新潟県村上市及び胎内市沖」は三井物産/独エネルギー大手RWE日本法人/大阪ガスの3社企業連合、「長崎県西海市江島沖」は住友商事/東電グループの再生エネ発電企業東京電力リニューアブルパワーの2社連合の落札となった。

 多くの風力業界関係者は、2023年度入札の選定結果はクリスマス頃にずれ込むと見込んでいた。しかし、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、西村康稔経済産業大臣が12月14日に事実上の更迭。発表は、この更迭の前に急遽前倒しされたといわれている。

 2021年に3海域を総取りした三菱商事を代表とする企業連合を含め、日本の洋上風力発電は総合商社と大手エネルギー企業が牽引役を果たす構図が鮮明になってきている。

 ただ、落札後の道のりは険しい。前途多難の最大の理由は、政府公募による入札ルールには、インフレ調整条項がないからだ。この条項は、予期せぬインフレの影響による資材費などの高騰を、受注済の契約価格に反映させることを定めるものだ。……

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