「だめだこりゃ」。いかりや長介の決め台詞のような出来事が、ドナルド・トランプ米大統領の就任以降、連続している。予測不可能な関税のトランプ砲、ウクライナ停戦を巡るマッドマンぶり……金利や株価、為替の計測計はその都度、右往左往を繰り返す。ザ・ドリフターズのような新政権の大立ち回りは、世界経済と金融市場のドリフト(漂流)を招きつつある。
GDP成長率“超急落”のカラクリと懸念
「-1.5 percent」。米連邦準備理事会(FRB)傘下のアトランタ連銀は、主要経済指標の発表ごとに実質GDP(国内総生産)の成長率予測値を発表している。名付けてGDP Now。2月28日に改定された1~3月期の予測値は、前期比年率で「マイナス1.5%」。それまでの「プラス2.3%」予想から、一気に水面下の見通しとなったのだ。
同連銀のホームページのマイナスの符合(-1.5 percent)はとても見えにくい。最初、「-」の存在を意識せずに画面をスクロールすると、腰を抜かすようなグラフが出てきた。さらに3月3日には「マイナス2.8%」に下方改定。「トランプ・リセッション」ともいえるグラフの自由落下。一体何が起きたのか。
答えは単純で、トランプ関税である。トランプ関税の発動を前に、今年1月に米国向けの駆け込み輸出、米国からすれば駆け込み輸入が急増したのである。海外への代金支払いとなる輸入はGDPから差し引かれる。なので、輸入の急拡大はGDPを下振れさせる。2月、3月に駆け込み輸入が収まるかが焦点となる。……
