「通訳に助けられた」。3月13日、セブン&アイ・ホールディングスに買収を提案しているカナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタール(ACT社)が開いた記者会見を見守ったACT社側の関係者は胸をなで下ろした。ACT社はセブン&アイに法的拘束力のない買収提案をした昨年7月末からこれまで、セブン&アイに対して秋波を送り続けてきた。しかし、デューデリジェンス(資産査定)に着手できないばかりか、セブン&アイの創業家への表敬訪問や面会すらできないでいた。交渉への非協力的な態度に「相当、いらだっていた」(ACT社側の関係者)。
会見でも会長で創業者のアラン・ブシャール氏は厳しい表情で「残念だ」と語ったが、英語だと「失望に近い『残念』のニュアンス」だったという。随所に厳しいワードが飛び出したが、優秀な通訳がオブラートに包んだ日本語にして、なんとか会見場の緊張を和らげた。ACT社は友好的な買収を目指しており、通訳はそのミッションを完遂したことになる。だが裏返せば、ACT社はセブン&アイの塩対応に堪忍袋の緒が切れる寸前なのだ。
ACTの資金調達に抜かりなし
セブン&アイはACT社からの買収をなんとかして逃れようとしているものの、M&A関係者からは「もう詰んでいる」との声も出る。創業家から提案を受けたMBO(経営陣が参加する自社買収)は金策に失敗し、2月末に断念。……