政治

党員わずか5000人、社民党を滅ぼす「自己矛盾」と「沖縄の民意」

2026年6月3日


<span>党員わずか5000人、社民党を滅ぼす「自己矛盾」と「沖縄の民意」</span>
かつての大政党も今や党員数は全国で約5000人に過ぎない[党員を募集するポスター画像](社民党HPより)

国会議員はたった2人、それを支える党員も約5000人しかいない。2028年の参院選で得票率が2%を下回れば、政党としての社民党は消滅する。地方の異論を封殺した党本部を、すでに沖縄の党員は「やまとの政党は沖縄を救わない」と見限っている。民主的とは言い難い組織運営は、社民党のみならず日本のリベラル全体が問い直されるべき自己矛盾だ。

 かつて衆議院と参議院で合わせて200以上の議席を持ち、野党第1党として自民党と対峙した社会党を前身に持つ社民党が、深刻な党内対立に陥っている。

 引き金となったのは、2月の衆院選での沖縄2区を巡る対応だ。独自候補を擁立した党中央の判断に、沖縄県連は反発を強めている。だが、福島瑞穂党首(70)ら執行部は、自らの判断を正当化するだけで、批判の声に耳を傾けようとしない。護憲と平和を党是として掲げ、差別的な言動や政治的暴力に対抗してきたはずの社民党が、内部での異論を許さず、批判を封じようとするのは、リベラルの自己矛盾でしかない。

 独善的とも言える福島氏の党運営には批判が根強く、歯止めのかからない党勢衰退が加速することも考えられる。2028年の参院選で得票率が2%に届かなければ、社民党は政党としての要件を失う。福島氏が党内の結束を図れなければ、そのシナリオはより現実味を帯びてくることになる。

批判には「黙れ」「引っ込め」の怒号

「黙れ!」

 4月29日、東京・永田町の星陵会館で開かれた社民党の党大会。マイクを手にした沖縄県連の宮城一郎代表(59)が、衆院選で党本部が沖縄2区に公認候補を擁立したことを批判すると、参加者の一部から野次が飛んだ。その後、会場では党本部を支持する人たちと、県連を支持し党本部に批判的な参加者との間で怒号が飛び交う事態となり、亀裂の深さを見せつけることとなった。

 党大会では、福島氏が高市早苗政権の憲法改正をめざす動きを批判し、社民党の存在意義を強調した。そうした中、来賓に招かれた全国労働組合連絡協議会の渡辺洋議長は、あいさつで異例の執行部批判を展開する。同月に行われた社民党党首選の決選投票で、福島氏に敗れた大椿裕子前参院議員(52)の発言が封じられたことに言及したのだ。

 渡辺氏は「混乱への言い訳に終始した印象しか残っていない」と、一連の対応を批判。「リベラル勢力を束ねる役割は必要だが、それをいまの社民党に求めることができるのか」と、福島氏の党運営に疑念を呈した。

 会場からは拍手が起こる一方で、「引っ込め」との罵声も飛んだ。だが、「身内」と言える渡辺氏による苦言は、社民党の置かれた現状を率直に示している。

「沖縄の声」を無視して議席喪失

 社民党の党内対立が深刻化した発端は昨年11月、社民党唯一の衆院議員(沖縄2区選出)だった新垣邦男氏(69)が離党したことにさかのぼる。参院比例区からの立候補を続ける福島氏に、衆院へのくら替えを求めたが聞き入れられず、不満を募らせていたとされる。新垣氏が今年1月、中道改革連合からの出馬を表明すると、社民党本部は辺野古新基地建設反対を掲げる元衆院議員・瑞慶覧長敏氏(67)を対立候補として擁立した。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を旗印とした「オール沖縄」勢力の分裂につながるとして、県連内には強い反対論があったが、党本部は公認を決定。社民党は自ら分裂選挙の引き金を引いたことになる。

 選挙結果は自民の宮崎政久氏が7万1071票で当選。新垣氏(5万7500票)と瑞慶覧氏(1万4311票)はともに落選した。2人の得票を単純に足せば自民候補を上回ることから、沖縄で党中央への批判が噴出したのは当然のことだろう。自治体議員ら県連幹部の離党が相次ぎ、社民党の沖縄県議会での議席が初めてゼロとなってしまった。

 4月18日に行われた県連大会では、党本部の姿勢に批判的な元県議の宮城氏が新代表に選出され、瑞慶覧氏の擁立を問題視する総括案が、圧倒的な支持を集めた。地元紙・琉球新報によると、宮城氏は選出後の記者団との一問一答で、「党本部に何を訴えるか」との質問にこう答えている。

「鹿児島以北の社民党員に沖縄の情報や党員の思いが伝わっていないと感じた。『沖縄に寄り添う』と言ってきた社民党がこの情報量でしか沖縄の問題を判別できないのかと大きな落胆を持っている。時には怒りながらでも、沖縄の考えを中央の社民党に伝える」

 だが、そうした声を福島氏らは一蹴した。

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