特集|教育

Vol. 4

【東海編】佐鳴・秀英を差し置き「全国の塾の中心は三重にあり」 変わる“高校受験王国”の実情

2026年5月29日


<span>【東海編】佐鳴・秀英を差し置き「全国の塾の中心は三重にあり」 変わる“高校受験王国”の実情</span>
関東と関西に挟まれた教育経済圏もまた活況を呈する(写真は名古屋大学の東山キャンパス)

関東と関西に挟まれつつも、名古屋大学というトップ大学を頂点に、東海地方の教育経済圏は活況を呈する。静岡からは佐鳴予備校、秀英予備校という学習塾の二強が全国に羽ばたくだけでなく、名古屋には河合塾の総本山、そして三重には、全国の学習塾や予備校の経営者を集結させる名門塾が存在する。一部では中学受験も盛んになりつつあるという中京圏の塾市場の動向を追った。

静岡が誇る「佐鳴」と「秀英」

 名古屋大学という“最強学府”や、トヨタグループやスズキ、ヤマハ発動機をはじめとした大企業も多い東海地方は、経済圏が域内で完結しているエリアともいえる。一人当たりの県民所得も高く、名大以外にも、名古屋工業大、名古屋市立大、岐阜大など理系に強い国公立大学がひしめき合う。こうした事情もあって首都圏の中学受験ブームとはやや距離を置き、その有力公立高校の多さから、「高校受験王国」とも称される。

 そんな東海地区の塾市場を語るには、どこよりも先に静岡に注目する必要がある。

 いまや全国規模のグループとして知られる佐鳴予備校と秀英予備校は、ともに静岡発の学習塾だ。上場している秀英に対し、佐鳴は非上場を貫くが、グループ傘下の塾も含めた全体の規模は佐鳴の方が勝る。

 ちなみに、佐鳴、秀英は互いに「予備校」の名を冠しているが、れっきとした進学塾であり、大学受験主体の予備校ではない。社風は対極だ。秀英予備校が会社組織として比較的かっちりとした体制を取っているのに対し、佐鳴予備校はオーナー企業色が強く、社長主導のトップダウン型で、現場への要求水準も厳しめといえようか。一方両者ともに、映像授業の質で評価が高い点は共通している。とりわけ佐鳴は、NHKアーカイブスの膨大な資料映像をはじめ、博物館、大学など各種の研究機関から協力を得て開発した動画素材をそろえていて、業界内でも注目されている。

 静岡においては、もともと佐鳴が浜松市を中心とした西部に強く、秀英が静岡市を中心とした東部に強いという大まかな傾向があったのだが、東部の名門塾・三島進学ゼミナールを佐鳴がグループ化たことで、東部戦線は勢力争いが激化している状況だ。とはいえ西のトップ校・浜松北には佐鳴が、東のトップ校・静岡には秀英が強いという構図は合格実績に鮮明に表れていて、文字通りの二強体制が続く。

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