はみ出し者は不要か
逸脱者を取り締まれば、社会はよくなるはずだ。が、実はそうとも限らない。それどころか、時には積極的に保護しなくてはならない。
「人間が型破りの異例的言動をすることが望ましくなる」「異例たる個人が大衆と異なる行動をすることは、阻止されるどころか、かえって奨励されなければならぬのである」――。ジョン・スチュアート・ミルの『自由論』を紐解くと、なんとも不穏当な言葉が飛び込んでくる。逸脱者を取り締まるどころか、保護せよとでも言わんばかりの表現だ。これでは迷惑系ユーチューバーの行動でさえも奨励されそうだが、もちろんそんなことをミルは主張しているのではない。後述するように、こうした言葉は確かな問題意識から発せられており、ただ無法者を是とするものではない。