連載|Foresight

Vol. 74

トランプ大統領の発言とアクション(9月11日~18日):米社会に広がる「AI版・反エスタブリッシュメント」に応えたFRBとAI大手の「二者二様」

2026年9月19日


<span>トランプ大統領の発言とアクション(9月11日~18日):米社会に広がる「AI版・反エスタブリッシュメント」に応えたFRBとAI大手の「二者二様」</span>
米国務省前でAIに抗議するデモ。参加者は「人類を守れ」「今こそAI条約を」「超知能AIは私たち全員を無力にする」「人間を超えるAIはいらない」などと書かれたプラカードを掲げた[2026年9月16日、アメリカ・ワシントンDC](C)IMAGO/mrhasanakbas via Reuters Connect

株式を持たない層はAIブームの恩恵を受けにくい。だが、データセンターの電力・水需要がもたらす公共料金上昇は、株を持たない家計にも打撃だ。FRBの利上げはトランプ政権からの独立性を示しつつ、中間選挙を控えた政権の懸念材料「AI版・反エスタブリッシュメント」の世論にも「物価安定」で応えるものと言えそうだ。折からのAI開発減速論も、背後には選挙、規制主導権、米中交渉の影がある。一方、日銀の利上げは発表後の円安をレートチェックで打ち消し、22日の日米首脳会談への地合いはなんとか整うことになった。――トランプ大統領と政権キーパーソンから飛び出した発言を、ストリート・インサイツ代表取締役・安田佐和子氏がマーケットへの影響を中心に詳細解説。

FRBの「生活者保護」を掲げた利上げ

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のFed番記者、ニック・ティミラオス氏は9月15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、アラン・グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長が1988年の共和党大会の1週間前に利上げを決めたと投稿した。ケビン・ウォーシュ氏もFRB議長就任式で憧憬の思いを語った「マエストロ」は、政治日程よりも物価安定を優先していたのだとの含意がある。この投稿は、ケビン・ハセット国家経済会議(NEC)委員長がCNNのインタビューで「トランプ大統領と私は、いま利上げする理由はないと考えている。FRBは独立性を保つために、選挙前に動かないことが重要だ」と述べたことへの皮肉だ。

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