経済・ビジネス

「EU排出権取引」の礎を作ったジョン・ブラウン卿と経産省「報告書」の圧倒的な意識差

2021年5月19日


<span>「EU排出権取引」の礎を作ったジョン・ブラウン卿と経産省「報告書」の圧倒的な意識差</span>
「EU-ETS」の基礎をなしたのはBPが社内で導入した排出権取引の仕組み(写真はイメージです)

5月12日に公表された経産省資源・燃料分科会の報告書は、「国民目線の欠如」と「役職の役割拡大」ばかりが目につく内容だった。本当の課題は、「2050年カーボンニュートラル(排出ネットゼロ)」実現に向けて、消費者に必要な変化を説明することのはずなのだが。

 2021年5月12日(水)、経済産業省「総合資源エネルギー調査会   資源・燃料分科会」(資源・燃料分科会)の報告書が公表された。下部組織である「石油・天然ガス小委員会」(石天小委)の一委員として議論に参加した筆者は、「石天小委」で陳述した意見がどの程度取り上げられているのか、興味を持って読んでみた。
   一読した印象は「国民目線の欠如」と「役所の役割拡大に熱心」が目に付く、というものだった。

まったく欠如している「国民への語り掛け」

「石天小委」は2021年4月(最終更新日4月26日)「資源・燃料分科会」に対し報告書を提出している。当該報告書の「おわりに」を補足した平野正雄委員長(早稲田大学教授)は、「石天小委」で「議論となったキーワード」として「レジリエンス」「トランジション」「アライアンス」と並んで「コミュニケーション」を挙げている。そして「コミュニケーション」について次のように述べている。

〈政府として、「エネルギーセキュリティは確保できて当たり前」 ではなく、「官民が長い時間をかけて不断の努力をしてきた結果ようやく確保できている」ということを国民に理解してもらう地道な努力が必要である。〉

 これは、他の委員の方々のご意見に加え、「石天小委」第14回(2021年2月19日)における筆者の、次のような陳述も反映されたものと見ていいだろう。……

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