カルチャー

連載小説:裂けた明日 第18回

2021年8月28日

内戦により、分断された日本。相次ぐ震災と原発事故、そして例の病気の蔓延で、国民の生活は壊滅的な影響を受けていた。家族を亡くし一人暮らす男の元へ、逃亡者が現れる――。<作家の眼が、現実を鋭く照射する。近未来の分断日本を描く、スリリングなSF長篇>

民泊に落ち着き、真智と信也は今後の策を相談する。綾瀬駅での出来事もあり、真智が頼りにする仲間についても気にかかり……。

[承前]

「いい」と信也は言った。「わたしも、聞いたりしないほうがいいだろう」

「沖本さんは、共同統治地域までわたしたちを送ってくれたあと、何か当てはあるんですか?」そう言ってから、真智は苦笑した。「何も確かめずにここまで付き添ってもらっていて、呑気過ぎますけど」……

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