経済・ビジネス

「改革」と「改革のフリ」は何が違うか

2021年8月18日

VUCAの中であらゆることの「再定義」が劇的に進む。そこから生じる巨大な変化を、日本企業も予期しなかったわけではない。しかし様々な「改革」を掲げたその多くが、いまや国際競争から脱落したのはなぜなのか。このVUCAの時代にあって、既存ルールの手直しや従来のビジネスモデルに改善アプローチをとるだけでは、それは「改革のフリ」と変わらない。

 前回は、VUCAと呼ばれる時代のさまざまな変化を生み出している根本要因を5つに整理してみた。これらの要因を震源地とするいくつもの大小のうねりが複雑に重なり合って巨大なうねりとなり、例外なしにありとあらゆることの再定義がどんどん進んでいる。

 そんな中、日本でも企業改革や働き方改革、デジタル改革などが声高に叫ばれてきたが、結局それらが皆掛け声倒れに終わっていたことがコロナ禍によって明らかになった。すなわち「改革のフリ」ばかりでなかなか変われないままでいる間に、世界は再定義が進んですっかり様変わりし日本の衰退が進行した。代表的な事例をいくつか挙げてみよう。

「概念」と「実体(商品・サービス)」を結べない経営トップ

 筆頭は家電産業、特にいわゆる黒物家電(音響や映像など娯楽系の家電)や情報家電といわれる分野だ。この分野は真っ先に再定義の荒波に洗われて産業構造が激変した。この分野では、もともと、テレビ、ホームビデオ、ホームオーディオ、パーソナルオーディオ、ゲーム、デジカメ、パソコン、携帯電話等々のさまざまな製品をカテゴリー分けして大量生産しており、それぞれのカテゴリーごとに担当事業部門が分かれていた。しかし今は、いわばこれらのカテゴリーがすべてスマホの中に納まってしまったとさえいえる。

 プレイヤーも大きく入れ替わった。かつてはソニーやパナソニック、シャープなどの日本勢がセンターで活躍していたのが、今や主役はグーグルやアップルなどの米国勢で、欠かせない脇役が韓国のサムスンや中国のシャオミ(小米)、オッポ(OPPO)などの新興メーカーだ。……

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