カルチャー

連載小説:裂けた明日 第23回

2021年10月2日

内戦により、分断された日本。相次ぐ震災と原発事故、そして例の病気の蔓延で、国民の生活は壊滅的な影響を受けていた。家族を亡くし一人暮らす男の元へ、逃亡者が現れる――。<作家の眼が、現実を鋭く照射する。近未来の分断日本を描く、スリリングなSF長篇>

封鎖線突破に失敗してしまった信也と真智母娘。大宮の路上で知り合った宮下の手配で、もう一度共同統治地域を目指すことにするが……。

[承前]

 JR川崎駅の駅ビルを、北口東へと出た。

 宮下からの新しい指示は、新築工事中の川崎市役所のある側に行けとのことだった。沖本信也は、真智と由奈と一緒にロータリーの外を回り、京浜急行の高架の線路をくぐって、川崎駅の東側に出た。……

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