政治

日本の死角「サイバー・プロパガンダ」:「情報安全保障」で新型戦争に備えよ

2021年9月30日


<span>日本の死角「サイバー・プロパガンダ」:「情報安全保障」で新型戦争に備えよ</span>
サイバー戦は「戦争」のあり方をどう変えるのか(C)Gorodenkoff

サイバー空間での諜報、破壊工作、プロパガンダという闘争が平時にも有事にも続く「新しい戦争」に、われわれはどう対処すれば良いのか。いち早くサイバー戦の可能性に気付いたロシアの事例をあげながら、小泉悠・東京大学特任助教が「情報安全保障」の重要性を説く。

 

 2001年というと、日本ではようやくインターネットが一般家庭でも使用され始めたばかり、というくらいだったろうか。新テクノロジーを見るととりあえず拒否してみせる筆者の父がようやくインターネット回線を引いたのがこの頃であったと記憶する。ロシアでのインターネットの普及はもう少し遅く、ブロードバンド接続が当たり前になったのは、都市部でも2000年代後半以降ではなかっただろう。

 だが、ロシアの情報機関は違った。サイバー時代が到来するや否や、これが新たな諜報戦の手段となることを見抜いていたのである。

「SIPRNet」不正アクセスで明らかになったロシアのサイバー脅威

 1998年に米国で発覚した「ムーンライト・メイズ」事件は、このことを証明する最初の契機となった。のちの調査によると、ロシアのサイバー戦部隊は遅くとも1996年頃から米国に対するサイバー攻撃を開始し、国防総省をはじめとする政府機関や軍事関係の研究・教育機関のコンピューターに対して長期にわたる不正アクセスを行っていたとされる。……

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