政治

岸田政権が試される「対中国で優る」ための外交手腕

2021年11月12日

衆院選での立憲民主党の敗北が示すように、米中対立という東アジアの大波はもはや日本の内政すらも直接的に揺さぶっている。前途に控える防衛力強化、TPP、台湾問題などの外交テーマを通じ、いかにして日本の存在感を高めるか。大国間競争の時代を迎えた国際政治環境の中で、岸田政権は日本の死活問題となり得る重い課題を抱えている。

 衆議院の解散・総選挙を自民党の15議席減でしのいだ岸田文雄首相は11月10日、特別国会での首相指名を経て第2次岸田内閣をスタートさせた。新型コロナウイルス対策をはじめ、疲弊した経済の立て直しが急務だ。そして、米国と中国との対立が激化する東アジアで、日本外交がどこに向かうのか。目先の課題を処理しながら、中長期的な戦略を明確にしなければならない。岸田政権が背負う課題は重い。

 総選挙で、自民党は選挙前の276議席から261議席に減少。コロナ対策などで批判を浴びた菅義偉政権のまま解散・総選挙に突入したら50議席以上は減ると予想されたことに比べれば、微減でしのぐことができたというのが自民党内の評価だ。これに対して、議席の大幅増が予想された立憲民主党は選挙前の110議席から96議席に減少。共産党との候補者一本化などの連携が立憲民主党の比例区票を大幅に減らした。

立憲民主を退潮させた「中国の影」

   立憲民主党の退潮に、自民党は「中国の影」を感じ取っている。東シナ海などで軍事活動を活発化させ、台湾統一の野望も隠さない中国に日本が向き合うには、日米安全保障条約に基づく米国との防衛協力が欠かせない。にもかかわらず、共産党は将来的には日米安保条約を破棄する方針を掲げている。「その共産党と限定的な閣外協力をめざすという立憲民主党に、有権者の不信感が募ったのは当然のこと」という分析が、自民党本部の選挙対策関係者から聞こえてくる。中国問題は日本の政治に直結している。

   日本の政治が自民党総裁選や解散・総選挙にかかりっきりになっていた間にも、米バイデン政権は、同盟国と連携しながら中国包囲網をジワリと強めてきた。英国、オーストラリアとの枠組み「AUKUS」を固め、オーストラリアとフランスが進めていた潜水艦の開発計画を横取りして、米国主導の原潜開発に変更させた。中国にしてみれば、東アジアで活動する原潜が米豪連携の原潜に捕捉される事態になるのは脅威だろう。米国は日本、インド、オーストラリアとともに「クアッド」の枠組みを強化。半導体生産など経済面でも中国に対抗する態勢を整えている。……

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